先制点を決めたのは、そのコウチーニョだった。メッシが相手ペナルティエリア前でボールをキープすると、右から走りこんできたトリンコンにスルーパスを出し、深い場所でフリーでボールを持ったトリンコンが、中央にグラウンダーのパス。それを走りこんできたコウチーニョが押し込んだのだ。

 そして前半終了間際には、メッシが得点を挙げる。相手ペナルティエリアの左手前でコウチーニョからのボールを受けると、右足でコントロールシュート。相手GKも見送るしかない弾道のシュートを利き足ではない右足で決めてみせた。その直前には、フリーキックをポストに直撃する惜しい場面を作るなど、状態は良好のようだ。

 プレシーズンマッチ第1戦ではスターティングメンバーは45分で退いたが、この日は、後半もメンバーをそのままにして挑んだ。そして、またしてもメッシが魅せた。52分、ゴール前の中央右よりでボールを受けると、反転するや今度は左足一閃。相手GKが一歩も動けないまま、ゴールネットを揺らした。

 その後、バルセロナはメッシら9人が62分に交代し、結局、3-1で勝利した。

 伝統の4-3-3から4-2-3-1へと姿を変えたバルセロナは、下位リーグの相手とはいえ順調な仕上がりを見せている。メッシも、第1戦に比べてかなり調子が良さそうだ。バルセロナは、あと1試合の実戦を経て、9月27日のリーグ初戦ビジャレアル戦に挑むことになる。

 また、獲得がすでに決定しているMFピャニッチと獲得が濃厚とされるFWメンフィス・デパイ2人が今後、チームの主力として合流することになる。第1戦で4-3-3を4-2-3-1にシステムを変更し、第2戦で、コウチーニョをスタメンに起用するなど、徐々にクーマン色を強めている。

 獲得が濃厚とされるメンフィス・デパイとグリーズマンのセンターフォワード争い、コウチーニョ&メッシと並ぶ、2列目の3人目は誰になるのか、中盤2枚の構成など、今後解決されるであろう不確定要素はまだある。新しいメンバーやシステムとメッシがどう融合するのか。そして、リーグ1部の相手に、4-2-3-1を4-3-3以上に機能させることができるのか。スペインのみならず、世界のバルサファンが注視している。

 

 

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