■スコットランドから中欧、南米へと伝播した

 1866年のオフサイド・ルールの改正によって、アソシエーション式フットボールはパッシング・ゲームに変化した。サッカーというスポーツは、1863年にではなく、1866年に誕生したと言っても過言ではない。

 スコットランドで始まった、パッシング・ゲームとしてのサッカー。それは、合理性を尊ぶ中部ヨーロッパ諸国(ドイツ、オーストリア、ハンガリー、チェコなど)に伝わって、そこで独自のパス・サッカーが発展していく。また、最初はやはりイングランド式のサッカーをやっていたアルゼンチンやウルグアイにもパス・サッカーが伝わって、彼らはパス・サッカーを極めてヨーロッパに対抗するようになる。

 ごくごく簡単にサッカーの歴史を振り返ってみたのだが、「パス・サッカー」というものが古い歴史を持ち、またサッカーというスポーツの本質に関係するものだということはご理解いただけたのではないだろうか。

 ちなみに、日本のサッカー界もこの新しいパス・サッカーというトレンドとかなり早い時期から接触している。

 日本でも最初のうちはごくプリミティブなイングランド式のフットボールを行っていた。

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