ボールを引き出し、パスをさばくことはもちろん、リバプールの攻撃となれば、南野が最前線に走った。リバプールの選手がクロスを上げるとき、あるいはシュートを放った時、そのボールやクロスに反応すべく、ゴールに一番近い場所にいるのが南野だった場面が何度もあった。16分に、南野が決定的なシュートを放った場面も、フロント3の攻撃のすぐ後ろに控えていて、チャンスと見るやペナルティエリア内に入り込んだ。
後半から、メンバーを数人入れ替えたリバプールは、前半よりも攻撃的な姿勢を見せた。そんな中で、同点シーンを生み出したのが南野だった。途中出場のセップ・ファン・デン・ベルフが高い位置でボールを奪うや、ペナルティエリア手前中央から猛然と右斜め方向にスプリント。セップ・ファン・デン・ベルフから浮き球のパスを引き出し、トラップと同時に前を向く。相手ディフェンダーがたまらず寄せたものの、南野の俊敏さにボールをしっかりとクリアできず、そのこぼれたところをマネが仕留めたのだ。
この同点弾は、FAコミュニティシールドのアーセナル戦で南野の得点シーンと共通点が多い。ペナルティエリア中央という一番危ない場所に南野が走り込んでいること、そして、細かいボールタッチが必要な場面で、適宜、それを発揮していることだ。先日の得点が、南野の中で自信になっていることを感じさせるものだった。
さらに直後の53分、右サイドバックのフーフェルからグラウンダーのパスをペナルティエリア内で受けると、ワンタッチしてから右足シュート。ボールはゴール前で待ち構えていたフィルミーノの右足を経てゴールに吸い込まれた。南野が逆転弾をアシストしたのだ。