■ロシア・ワールドカップの思い出

 だから、旅行嫌いにとってはワールドカップ取材はストレスだらけでしょうね。その点、僕は移動は苦にならないんですが、そんな僕でも退屈してしまったのがロシア・ワールドカップでボルゴグラードからカザンに移動した時のことです。

 ボルゴグラードでは6月28日にグループリーグ最終のポーランド戦がありました。西野朗監督がまだ突破が決まっていたわけでもないのにメンバーを落とし、さらに0対1でリードされているのに攻撃を放棄して時間稼ぎをするというギャンブルに出て、そしてその賭けに勝った試合です。

 ボルゴグラードはボルガ河に沿った南北に細長い街です。旧スターリングラード……。第二次世界大戦の時、独ソ両軍合計の死傷者が200万人超という文字通りの「死闘」を繰り広げた戦場です。

 ラウンド16が始まるのは30日からで、翌29日は試合がありません。そこで、僕はタタールスタン共和国の首都カザンまで列車の旅を楽しむことにしたのです。

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