■クワスの味は旅の味

 この大会では、ロシア国鉄が試合に合わせて報道陣だけでなく各国サポーターも利用できるワールドカップ専用無料列車を何本も走らせていましたが、それは試合会場の都市とモスクワを往復するもので、ボルゴグラード発カザン行きという列車はなかったので一般の寝台車を予約しました。

 ボルゴグラードを28日深夜に出発すれば翌日の夜にカザンに着きます。で、30日朝からカザンを観光し、タタール料理を楽しんでからフランス対アルゼンチンを観戦。その後、再び夜行の無料列車でモスクワに戻ろうというわけです。

 昔、スカパー!でCL中継の解説をしていた頃に何度かルビン・カザンの試合を担当したことがありました。その時、バックスタンド後方に見えるカザン・クレムリンがライトアップされていてとても美しかったので、一度は行ってみたいと思っていたのです。ムスリムが多いタタールスタンだけに、クレムリン内にはイスラム教のモスクとロシア正教の教会が並び、タタールスタン共和国大統領官邸も入っています。

 車内はガラガラでよかったのですが、車両が旧式で冷房が付いてなかったので蒸し暑くて大変でした。そして、列車は延々と林の中を進んで行きますから車窓の景色も単調極まりなく、さすがの旅好きの僕もかなり退屈してしまいました。WiFiも飛んでませんし……。

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