■美味しかった「クワス」
車内にはこの列車の時刻表のプレートが掲示してありました(写真参照)。23:10にボルゴグラードを発った列車は翌日の22:43にカザンに到着。カザンで62分間停車した後、ウラル山脈を越えてさらに東に向かい、翌々日の14:31に終着駅ニージニヴァルトフスクに着くようです。ボルゴグラードを発ってから終着まで63時間21分という長距離列車です。
時刻表のプレートが車内に取り付けられているということは、つまりこの車両はいつもボルゴグラードとニージニヴァルトフスクの間を往復しているということです。旧ソ連時代の鉄道はみんなそういうシステムでした。各車輌には女性車掌が1人ずつ乗っていますが(たいていはオバサン。ごく稀にオネエサン)、彼女たちもこの車両と一緒に同じルートを往復しています。
シズランユジナーヤ駅のキオスクでサンドウィッチとペットボトル入りの「クワス」を買い込みました。
「クワス」というのはライ麦などを発酵させて作る微炭酸・微アルコールの飲み物です。それまで、たいして旨い物とは思っていませんでしたが、蒸し暑い車内で単調な景色を眺めながら飲んでいると、そのボンヤリとした味がすっかり舌に馴染んで、「ああ、本当にロシアを旅しているのだ」ということを実感しました。
ロシアや東欧諸国の列車は途中駅で長時間停車したりしてとっても遅いんですが、運航が正確なのがうれしいところです。旅行中、列車や飛行機の遅延や欠航は本当に困りますからね。ただ、昔のロシアの飛行機は最悪だったんだけどねぇ~。