■監督と選手の思いが重なり合う長崎
河野のゴールに沸いた山口のホームゲームで、最後に笑ったのは長崎だった。手倉森誠監督が統べるチームは2対1の勝利をつかみ、通算7勝1分で勝点を22に伸ばした。勝点18の大宮に4差をつけ、首位をキープしている。
山口戦はリベンジの機会だった。ここまで唯一白星を逃した5節のFC琉球戦に先発したメンバーの多くが、再びチャンスを与えられていたのである。
前半5分の先制点は、玉田圭司の右CKを徳永悠平が頭で合わせたものだった。40歳のストライカーと36歳のCBは、琉球戦以来のスタメン出場だった。
1対1で迎えた82分には、右サイドバックの米田隼也が決勝弾を突き刺した。プロ3年目の24歳は、「いつか必ずチームの力になってやろうとずっと思って準備をしてきたので、ワンチャンスをモノにできて良かったです」と、喜びを押し殺すように話した。
試合後の手倉森監督も、「琉球相手に引分けたメンバーが本気になってくれた」と笑顔をこぼした。指揮官の意図と選手の闘志が重なり合い、長崎の無敗街道は続いている。