初の秋春制Jリーグで開幕3連勝と好発進した柏レイソル。彼らの強さを支えるのは、華麗なパスワークだけではない。FIFA会長が導入した唯一のプラス改革を見据えたような、相手の意表を突くスタートだ。一方で、絶対的な主力の移籍に伴うという課題も浮き彫りに。サッカージャーナリスト後藤健生が、好調の裏にある戦術の妙と死角を分析する。【第2回/全3回】
■記者泣かせの早さ!? 相手の隙を突く「スタート」
そして、もう一つ、柏のサッカーで特筆すべきはリスタートの早さだろう。
チャンスをつくって、相手に当たってボールがゴールラインを割る。もちろん、コーナーキックである。そこで、記者席で観戦している僕としてはチャンスをつくった攻撃の形をメモしておきたいのだが、柏はすぐにリスタートするのでなかなかピッチから目を離すことができない。 近くにいる選手がすぐにCKを蹴ってプレーを再開させるのである。
かつて、J1リーグに覇を唱えたアンジェ・ポステコグルー監督(現アル・ナスル=サウジアラビア=監督)時代の横浜F・マリノスが、やはりクイックスタートを使っていたものだが、最近はそういうチームは少なくなってしまった。
サンフレッチェ広島は現在のJ1リーグの中で最も完成度の高いチームの一つだが、リスタートの場合は必ず右足のキッカーと左足のキッカーの2人をボールのそばに立たせてからスタートする。しかも、キッカーがゆっくり歩いていくのでリスタートまでに非常に時間がかかる。
もちろん、それは2人のキッカーが関わり、さまざまな球種のキックを使い分けることによって攻撃のバリエーションを増やそうという明確な意図に基づいて行っていることで、それがバルトシュ・ガウル監督のサッカー観というわけだ。
ただ、広島も時にはクイックスタートも交えたほうが、さらにバリエーションが増えるのではないかという気もするのだが……。































