■38歳乾が攻守に存在感発揮
1対0とした磐田は、その後も試合の主導権を握っていく。その中心となったのが乾だ。
攻撃時は4-2-3-1のトップ下を基本ポジションとして、前後左右に動いてボールを循環させる。スピードアップとスピードダウンの調整も担う。
磐田の攻撃の中心が乾であることは、徳島も十分に分かっているはずである。それでも、この男は相手につかまらない。ダブルボランチの両脇や背中に立ち、味方のボランチやCBから縦パスを引き出す。
ここでポイントになるのが、選手の配置だ。秋葉監督は4-2-3-1のシステムで、ボランチが本職のユーリ・ララ(32歳)を左CBで起用している。ボールを奪い切る彼の力を最終ラインで生かし、同じブラジル人のダニーロと最終ライン中央を堅牢にしているのだが、攻撃の局面ではユーリ・ララのパスセンスが発揮される。ダブルボランチの金子大毅(27歳)、藤原健介(22歳)とともに、相手の守備ブロックへ縦パスを刺し込んでいくのだ。
縦パスを受けた乾は、ターンしたりワンタッチでさばいたりして、攻撃のスイッチを入れていく。この日はテレスとヴィクトルと適切な距離感でプレーし、徳島の守備陣を悩ませた。
背番号23を着けた乾は、守備時も存在感を発揮した。4-4-2へ可変して最前線に立ち、プレスのスイッチを入れていったのである。「90分間圧力をかけ続ける」秋葉監督のゲームモデルを、38歳のベテランは誰よりも体現していた。







