世界中が熱狂する北中米ワールドカップ。しかし今大会は、ピッチ外での「前代未聞の事態」が最大の話題をさらってしまった。米代表FWフォラリン・バログンのレッドカード退場に対し、あろうことかドナルド・トランプ大統領がFIFAへ直接電話介入。「1年間の執行猶予」というサッカー界を揺るがす超法規的措置をもぎ取ったのだ。
結果的にバログンが出場したベルギー戦は1-4の大敗で終戦。騒動の渦中でバログン自身はプロとして成熟した冷静な態度を貫いたが、世界中からは「悪しき政治介入」と大ブーイングが巻き起こった。そもそも、なぜトランプ氏はここまでサッカーに顔を突っ込んできたのか? 現地取材中のサッカージャーナリスト・大住良之が、大統領の知られざる“少年時代”からその謎を解き明かす!【全2回/第1回】
■レッドカード判定の妥当性と前代未聞の「執行猶予」裁定
日本でも大きく話題になった。アメリカのFW(今大会のエース)フォラリン・バログンの「出場停止解除」事件である。
たしかに、退場にするべきか、私自身映像を何回か見て疑問に思った。バログンはひどい反則をしたわけでも、過剰な力でプレーしたわけでもなく、不運なもつれ合いのなかで偶発的に相手のすねを踏みつけてしまったように見えたからだ。
7月1日にサンフランシスコで行われたラウンド32のアメリカ×ボスニアヘルツェゴビナ。後半なかば、パスを受けようとしたバログンにボスニアのDFタリク・ムハレモビッチが激しくチャージ、2人はもつれながら倒れた。ムハレモビッチが激痛を訴えるが、主審はプレーを続行させた。
しかしコロンビア人VARニコラス・ガリョのアドバイスを受けた主審ラファエル・クラウス(ブラジル)は、オンフィールドレビューの結果、レッドカードを出した。そして世界中からの非難のなか、国際サッカー連盟(FIFA)は審判団の判断を追認した。すなわち、レッドカードが正しかったと確認されたのである。




























