アジア躍進、欧州苦戦が示す「W杯大波乱」【後編】崩壊する「欧州ブランド」、序盤戦が突きつけた世界的な“戦力平準化”のリアルの画像
EURO2024を制したスペインも、初出場のカーボベルデと引き分けた。世界全体で底上げが進む。撮影/原悦生(SONYα1使用)

 ワールドカップが開幕した。世界中がサッカーを通じて、喜びを共有する。サッカージャーナリスト大住良之も、現地に入って精力的に取材中。大会の様子を、現地から直送でお届けする。

■苦しむ欧州勢

 さて、無敗のアジア勢と比較すると、16もの枠を与えられた欧州勢の苦戦ぶりが目立つ。E組のドイツは初出場のキュラソーに7-1という近年のワールドカップでは珍しい大差で勝利を飾り、欧州予選で敗退の危機に瀕しながら欧州プレーオフで生き残ったF組スウェーデンがチーム混乱のチュニジアに5-1で快勝したが、すでに登場した10チームのなかでこの2チームのほかに初戦勝利を飾ったのはC組のスコットランドだけだ。

 優勝候補に挙げられるF組のオランダ、G組のベルギー、そしてH組のスペインはいずれも引き分けた。10チームが戦って3勝5分2敗は、思いがけない苦戦といえる。

 そのひとつの要因は、長いシーズンの疲労を引きずっているためだろうか。欧州の主要リーグのクラブの多くはシーズンの試合数が非常に多く、選手たちはその疲労から完全に回復しないままにワールドカップに突入しているようにも見える。

 だが、その状況は欧州以外のチームのいくつかも同じだ。チェコに逆転勝利した韓国も、トルコを下したオーストラリアも、多くの選手が欧州のクラブでプレーし、日本はチームの大半が欧州のクラブ所属だ。

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