ワールドカップ直前という最悪のタイミングで起きた、南野拓実と三笘薫の負傷離脱。強豪クラブで主力として戦う彼らを襲った悲劇は、本当に「単なる不運」だったのか? サッカージャーナリスト・後藤健生は、その背景に「欧州と東アジアを往復する過酷な長距離移動」という、日本代表選手特有の深刻な疲労蓄積メカニズムがあると指摘する。本大会の熱狂の裏で目を背けてはならない、選手生命を削るカレンダーの代償に迫る!【全3回/第2回】
■W杯前年に相次いだ「主力」の負傷
現在の日本サッカー界の選手層は厚い。左サイドバック1人が負傷したこと(※当時オフトジャパンの不動の左SBだった都並敏史選手が左足を亀裂骨折)によってパニックになってしまった30年前とは違うのだ。
森保監督も「誰が出ても同じようにプレーできるチーム」を目指してさまざまな選手を試しながら、チームをつくり上げてきた。だからこそ、南野、三笘の負傷という報に接したときに、だれもが悲観的にならないですんだのだ。
しかし、離脱した2人の能力と経験は非常にレベルの高いものだった。少なくとも、日本代表は彼らの存在を前提につくられたチームであり、また、彼らへの依存度も高かった。
たとえ同じレベルの能力を持つ選手がいたとしても、やはり中心選手の離脱がチームのパフォーマンスに悪影響を与えないはずはない。
ワールドカップを目前に控えた時期に大ケガを負ったことは、選手たちにとって非常に気の毒なことだったし、チームに大きな不運だった。
もちろん、サッカーという激しいフィジカル・コンタクトを伴う競技を行っているのだから、負傷のリスクは常に高い。クラブチームでも、代表チームでも、選手の離脱は最も悲しい出来事だが、いつそれが起こっても不思議ではない。
しかし、今回の日本代表ではワールドカップの前年になってから主力選手の負傷が相次いだ。これは、単なる「不運」だっただけなのだろうか? それとも、何か原因があったのか?
次回以降のワールドカップを考えるうえでも、避けて通れない疑問である。
























