■磐田が勝てていない間に…

 百年構想リーグは、いつものシーズンよりも開幕が早かった。磐田のように新監督を迎えたチームは、シーズンの入りが難しいと言うことはできる。しかしながら、EAST―Bグループで首位に立つヴァンフォーレ甲府は、就任1年目の渋谷洋樹監督(59歳)に率いられている。藤枝MYFCを指揮するのも、槇野智章新監督(38歳)だ。昇降格のない特別なリーグというだけで、磐田のスロースタートを説明するのは無理がある。

 この日対戦した札幌も、川井健太監督(44歳)のもとでリスタートを切ったチームだ。前節まで1勝4敗で白星はPK勝ちと、苦しい状況が続いていた。だが、チームのプレーモデルを体現する時間帯を、少しずつ伸ばしている。変化のあとが見える。

 ひるがえって、磐田はどうか。

 2列目の角と川合が攻撃に加わると、相手ゴールへ迫る可能性が高まる。ブラジル人のグスタボ・シルバは、個人で違いを作り出すことができる。しかし、攻撃の再現性は高くない。

 札幌戦を含めたここまでの試合から、「決定力」や「ゴールへの迫力」が課題にあげられている。6試合で3点しかとることができていないのだから、そのとおりではある。

 タイトルを争うチームには、結果を残すストライカーがいる、と言われる。表現方法を変えれば、タイトルを争うチームは「ストライカーが得点できる形を作り出せる」ということだろう。

 札幌戦で先発した渡邉りょうは、65分までの出場でシュート1本に終わった。途中出場の佐藤、ペイショット、アーウィライは、1本も記録していない。ストライカーがゴールを狙うことのできる形を、チームとして作り出せていなかったのである。

 明治安田J2・J3百年構想リーグは、J2、J3の40チームが4つのグループに分かれて戦っている。6試合を終えて90分での勝利がないのは、磐田、AC長野パルセイロ、愛媛FCFC琉球ギラヴァンツ北九州の5チームだ。J2のチームは、磐田だけである。

 勝てないこと、負けることに慣れてしまうと、簡単には抜け出せないものだ。昇降格のない特別なリーグだが、磐田が未勝利の間にも、勝ち続けて自信をつけているJ2のクラブは確実にある。

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