■車両の前面の「YC」って何?

 ところが、江北駅のホームに待っていたのは、車両の前面にLEDライトがたくさん付いている近代的なデザインの車両でした。

 国鉄民営化で分割されたJR九州(九州旅客鉄道)は、凝ったデザインの車両を走らせて注目を集めていますが、ローカル線を走る新しい気動車もなかなか攻めたデザインの車両でした。

 そして、車両の前面には「YC1」というブルーのロゴが目立っていました。「YC」って何? それは、ロゴの中に小さなローマ字で書いてありました。

「YASASHIKUTE CHIKARAMOCHI HYBRID」

「YC」とは「優しくて力持ち」のイニシャルだったわけです。

 これは「YC1」系という、JR九州が2020年に運用開始した新型車両でした。僕はこれまで九州のローカル線に乗車する機会がなかったこともあって、そんな車両が走っていることはまったく知りませんでした。

「HYBRID」というのは、この新型車両がディーゼル・エレクトリック方式を採用していることを表しています。

 ディーゼル・エンジンの回転で直接車軸を回すのではなく、ディーゼル・エンジンで発電をして、電気でモーターを回転させて走らせるというものです。従来のキハ系と比べて2割ほど燃料消費量が抑えられるそうです。

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