皇后杯のファイナリストが決まった。INAC神戸レオネッサとサンフレッチェ広島レジーナが、元日の国立競技場で激突する。両チームが激闘を繰り広げた準決勝2試合の模様を、日本の女子サッカーの「今後の展望」とともに、サッカージャーナリスト後藤健生が検証する!
■絶対エースが「終盤」に仕事
そうこうしているうちに、60分を過ぎてセレッソ大阪ヤンマーレディースにもチャンスが生まれ始める。59分にはFKからのボールをGKが弾いたところを田子夏海がフリーでとらえたが、シュートはクロスバーを越した。そして、66分には左からのクロスにファーサイドの和田麻希が合わせたが、シュートは再びクロスバーを越えた。
こうして、チャンスをつくり始めたC大阪。松田岳夫監督は67分に選手交代を使って、それまで中盤でゲームをつくっていた宝田沙織をトップに上げて、田子と2トップを組ませた。
宝田はこのチームでは絶対的エース格の選手だが、その宝田を中盤で使ってゲームをコントロールさせるか、それとも前線で使ってゴールを狙わせるか……。松田監督にとって難しい決断のようだ。
そして、ゲームの終盤、その宝田が仕事をした。
78分に、FKから直接ゴールを決めてみせたのだ。ゴールまでの距離もあり、また正面からだいぶ右サイドに寄った位置だったので、誰もが中央で合わせると思ったことだろう。だが、宝田はちょっと変化をかけて直接狙ったのでGKも対応が遅れて、シュートは右上隅に突き刺さった。











