■ともに「縁起が良い」決勝戦

 そして、アディショナルタイム。右CKからファーに流れたボールを四本帆夏が折り返し、百濃実結香が決めて1点差となった。

 つい先日、別のコンペティションではあったが、0対3から4点を連取して逆転した奇跡のような試合を見た後だっただけに、「これはもしや……」と思わせたものの、1点差に迫ったゴールは90+3分。残り時間は4分足らずしかなく、試合は3対2のスコアのまま終了した。

 こうして、元日の皇后杯決勝に駒を進めたのは、INAC神戸レオネッサとサンフレッチェ広島レジーナということになった。

 日テレ・東京ヴェルディベレーザと三菱重工浦和レッズレディースが相次いで敗れた今年の皇后杯。首位を走るI神戸と、「3強」を追う存在の広島の対戦となったのは順当な結果だった。

 皇后杯の元日開催は14年ぶりのことだが、その前回の元日決戦(第33大会決勝戦=男子の天皇杯決勝の前座試合として開催された)でアルビレックス新潟レディースを3対0で破って優勝したのはI神戸だった。

 一方、広島にも国立競技場での決勝戦には良い思い出がある。

 ちょうど1年前の2024年12月29日に行われたWEリーグ・クラシエカップ決勝戦では、広島がI神戸を破って同カップ連覇を決めているのだ。

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