【2025年J2「第37節」RB大宮アルディージャVS徳島ヴォルティス「徹底分析」】RB大宮・宮沢監督、痛恨の黒星も「3連勝すれば自分たちの目標が達成できる」 最終節「J1自動昇格」は4チームに可能性残る【戸塚啓のJ2のミカタ】(2)の画像
黒星も切り替えるRB大宮  撮影/中地拓也
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■ホーム苦杯も「残り3連勝で目標を達成できる」

【J2リーグ第37節 11月23日 14時00分キックオフ 大宮 1ー2 徳島 NACK5スタジアム大宮】

 J1昇格争いは、29日の最終節までもつれることとなった。

 J2リーグ第37節が11月23日に開催され、3位のRB大宮アルディージャと5位の徳島ヴォルティスが激突した。試合は14分にRB大宮が先制するものの、徳島に30分と34分に失点し、RB大宮はビハインドを喫してしまうのだ。

 前半を1対2のままで折り返したRB大宮は、61分に勝負に出る。前線の選手を3枚替えし、MF泉柊椰、MF谷内田哲平、FW杉本健勇を投入する。攻撃のギアを一気に上げていく。

 直後の62分に谷内田が決定的なシュートを放ち、66分のFKからCB村上陽介が際どいヘディングシュートを浴びせる。70分には杉本のヘディングシュートが枠を逸れ、75分には谷内田の右足シュートが左ポストを叩く。

 RB大宮が2点目を取り切れない間に、徳島は守備を整えていった。両ウイングバックを交代して守備を強化し、ボランチに前節から戦列復帰したベテラン岩尾憲を起用してきた。88分にはCBが本職の山越康平を、ダブルボランチの一角に置いた。

 RB大宮も82分にMFアルトゥール・シルバからFWファビアン・ゴンザレスへ交代し、選手の立ち位置を変えていた。いずれも長身の杉本とゴンザレスが最前線に立ち、カプリーニと谷内田がその後方でボールに関わる。

 右サイドから右SB関口凱心が何度も攻め上がり、左サイドでは泉と下口稚葉が数的優位を作る。左SBの下口は後半開始から高い位置を取り、左サイドからの攻撃に厚みを生み出していた。関口も攻撃に重心を置き、CBイヨハとCB村上のツー・センターバックのようになるが、彼らふたりでC相手のカウンターを吸収し、後半は失点を許さなかった。

 しかし、NACK5スタジアム大宮に同点の歓喜は訪れなかった。ここまでリーグ最少の失点を誇り、複数失点の試合をわずか「4」にとどめる徳島の守備陣を、再び崩すことはできなかった。RB大宮は、1対2で敗れたのだった。

 試合後の宮沢監督は、「次の試合に勝てばプレーオフもありますし、上(3位、4位に)にいけばホームで試合ができる。僕のなかではここからを3連勝すれば自分たちの目標が達成できるので、そこまでネガティブにはなっていないです」と話した。

 J3リーグから2年でのJ1昇格は、これまでに例がない。レッドブルのもとで再生をはかってきたRB大宮が、Jリーグの歴史を変えるのか。最終節を経て、「+2のドラマ」を作り出す。

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