■まさに「決勝戦のような試合」
もちろん、それは僕の主観である。だが、少なくとも僕の周囲の記者たちは口をそろえて「つまらなかった」と言っていた。むしろ、僕が「そこまで言わなくてもいいのに」と思うくらいの酷評だった。だが、その後、見かけたほとんどの記事は町田の守備の堅固さを称えたり、延長まで信じて走り切ったといった、勝った町田を称賛する内容のものだった。
それって、フェイクニュースではないのか!
「つまらない試合だった」と思うのだったら、「つまらない試合だった」と書くべきだ。もちろん、どんな試合でもその中から見どころを拾いだして、その面白さを伝えるのもメディアのあり方なのではあるが……。
もちろん、サッカーというのは勝つためにプレーするものである。「勝つ確率を上げるために守備的に戦うべきだ」と考えるなら、それを遂行すべきなのは間違いない。
また、サッカーの世界には「決勝戦のような試合」という言葉がある。
リーグ戦とは違って負けたら終わりのカップ戦では、両チームが慎重になりすぎて、つまらない試合になることが多い。そのことを表わす言葉である。
町田とFC東京の試合は、まさにその「(準)決勝のような試合」だった。








