■1週間前「国立競技場」で対戦

 昨シーズンはJ1昇格1年目に最後まで優勝争いに絡んだ町田だったが、今シーズンは現在6位でリーグのタイトル争いからは脱落している状況。クラブとして初めてのタイトル獲得のチャンスとなった天皇杯の重要度は非常に高い。

 一方のFC東京もリーグ戦では11位と出遅れており、久し振りのタイトルが是が非でもほしいところだ。

 さらに、ちょうど1週間前に同じ国立競技場で行われたJ1リーグ第36節で両チームは対戦していた。この試合では町田が数多くのチャンスをつくりながら決めきれず、最終盤の87分にカウンターからの失点で敗れてしまった。

 結果にこだわり、守備を重視する黒田剛監督としては許せない試合だったことだろう。そのため、相手のカウンターを警戒し、町田はふだん以上に慎重に試合を進めた。ウィングバックの裏を取られた前節の反省から、WBも引き気味で5バックと言ってもいいような時間帯も長かった。

 一方、FC東京のほうも、当然、前週と同様にカウンターを狙った。

 こうして、両チームともに慎重過ぎる、腰が引けた試合となってしまったのである。

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