■終盤の猛攻を生んだ「個人能力」
そうした前節の敗戦を引きずり、また直後にACLEの初戦を控えた試合。さらに対戦相手の横浜FCが下位に低迷していたこともあって、気持ち的にいわゆる「谷間の試合」となってしまったのかもしれない。
後半に入ってもなかなか改善できないでいると、町田は56分に失点を喫してしまう。それも、自らが武器として使っているロングスローからの失点だった。
ロングスローを入れた細井響は新潟医療福祉大学在学中の特別指定選手。町田にとっては情報も少なかったのだろう。スローインのボールは、予想外に伸びてファーポスト際に走り込んだ伊藤槙人にあっけなく決められてしまった。
失点したことでようやく目を覚ました町田はその後、猛攻を仕掛けて88分にようやく同点に追いついたが、時すでに遅く、試合はそのまま引き分けとなった。
せっかくボールを握る時間が長かったのに、チャンスに結びつけられなかった前半。ロングスロー、あるいはカウンターという、本来は町田の武器であるはずのところからの失点。失点後の猛攻……。横浜FC戦とFCソウル戦には多くの共通点があった。
そして、どちらの試合でも終盤の猛攻をもたらしたのは、前線に入ったアタッカーたちの個人能力だった。