
FC町田ゼルビアが、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に初挑戦している。J1初挑戦の昨シーズンは、「戦い方」について幾多の議論を呼んだ。その「異質さ」は、ACL初戦のFCソウル戦でさらに鮮明になったと、サッカージャーナリスト後藤健生は指摘する!
■FCソウル戦で覚えた「既視感」
この試合を見ていて、僕は既視感(デジャヴ)を覚えた。
4日前の9月12日の金曜日にFC町田ゼルビアはホームに横浜FCを迎えていた(J1リーグ第29節)。そして、やはり1対1の引き分けに終わっていたのだ。スコアだけでなく、試合の流れもソウル戦と似ていた。
横浜FC戦も町田がボールを握る時間が長く、プレーゾーンとしても横浜FC陣内でプレーする時間が長かった。
だが、前半45分を通じてほとんど決定機が生まれなかった。シュート数でみると、町田の4本に対して横浜FCは6本。残留争い真っ只中の横浜FCだったが、左右に大きくボールを動かし、またトップのルキアンのポストプレーを使って、シュートチャンスをつくり続けた。
町田にとっては何か集中を欠いた、まるで眠っていたような前半だった。
J1リーグで無敗を続けて一時は優勝争いに手が届く位置に上がり、天皇杯でも準決勝進出を決めた町田。しかし、8月最後の第28節では川崎フロンターレに3対5という大敗を喫してしまう。
守備力を高め、「失点しないこと」を徹底して、昨年初挑戦のJ1リーグで3位に入った町田にとって「5失点」というのはあってはならないことだったはずだ。
その敗戦後、中断期間を経て迎えたのが横浜FC戦だった。