素晴らしかったワントップ上田綺世、「最大の長所」を活かすためにアメリカ戦で期待したい「システム変更」【後藤健生の「サッカー日本代表アメリカ遠征」中間採点】(3)の画像
ターゲットマンとしての役目を果たし、フィジカルの強さも一段と上がっていた上田綺世。ただ、できれば…。撮影/渡辺航滋(Sony αⅡ使用)

 アメリカ遠征中のサッカー日本代表。第1戦のメキシコ代表戦で引き分けて、第2戦のアメリカ代表戦に臨む。FIFAランクで格上の相手との連戦だが、現時点での評価はどうか? サッカージャーナリスト後藤健生がメキシコ戦での「収穫」と、アメリカ戦での「課題」を挙げる!

■日本代表の「ストロングポイント」

 1トップに入った上田綺世のパフォーマンスも素晴らしかった。

 味方からの縦へのボールを受けて、相手DFを背負ってタメをつくって味方につなぐことができた。立派なターゲットマンぶりであり、フィジカルの強さも一段と上がっているように見えた。

 だが、相手のDFを背負って奮闘はしたのだが、大部分は、相手ゴールからかなり離れた位置でのことだった。もっとゴールの近く、できればペナルティーエリア内でターゲットとなれればよかったのだが……。

 今では、日本には各ポジションに素晴らしい選手が存在する。長期離脱中の冨安健洋伊藤洋輝に加えて、町田浩樹や高井幸大などCBが次々と負傷して代表に参加できなくなって、代わりに招集された渡辺剛のような選手がしっかりとプレーできるから何の不安も覚えない。さらに、かつては日本のウィークポイントと言われたGKにも、鈴木彩艶というセリエAでレギュラーとしてプレーしている選手が現われ、メキシコ戦でもエリク・リラの強烈なヘディングシュートを余裕を持ってセービングして見せた。

 しかし、日本代表のストロングポイントが「2列目」であることは間違いない。

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