どこよりも早い「サッカー日本代表アメリカ遠征」対戦チーム分析(3)アメリカを率いる「史上最高額」の監督、ACミラン所属エース不在で「チーム内競争」激化、日本代表の「試金石」にの画像
ワールドカップ開催国相手に、半年ぶりに「フルメンバー」が集まる日本代表は、成長した姿を見せることができるのか? 撮影/原悦生(Sony α1使用)

 サッカー日本代表が、ワールドカップ本大会に向けての準備を本格的にスタートする。9月にアメリカへと遠征し、アメリカ代表、メキシコ代表と親善試合を行うのだ。本大会が行われる国で、開催国と戦える意義は大きい。この2戦の注目ポイントを、サッカージャーナリスト大住良之がひと足早くスカウティング(対戦チーム分析)!

■「持ち直した」アルゼンチン出身の名将

 アメリカ代表を率いるのはアルゼンチン出身の名将マウリシオ・ポチェッティーノ。1990年代から2000年代にかけてエスパニョール(スペイン)やパリ・サンジェルマン(フランス)などの欧州のクラブでセンターバックとして活躍し、アルゼンチン代表20試合(2ゴール)、2002年ワールドカップ日本/韓国大会に出場した。

 引退後は、2009年のエスパニョールを皮切りにサウサンプトントットナム・ホットスパー(ともにイングランド)、パリ・サンジェルマン、チェルシー(イングランド)で監督を務めた後、2024年9月にアメリカ代表監督に就任した。報道によれば年俸は600万ドル(約9億円)。アメリカ・サッカー史上最高額の代表監督だという。

 以後、今年7月のCONCACAFゴールドカップ決勝まで16戦(うち14戦は国内)して、9勝1分け6敗。3月から6月にかけて4連敗(0-1パナマ、1-2カナダ、1-2トルコ、0-4スイス)という難しい時期もあったが、主力を使えなかったゴールドカップでは思い切って若手を登用、決勝でメキシコを相手に接戦に持ちこんだことで評価は持ち直している。

  1. 1
  2. 2
  3. 3