■求められる｢パスが出せない｣場合の選択肢
ＧＫ側のチームにとっては、いかにしてＧＫから安全かつ効率的にパスを受けて攻撃につなげるかを考えなければならない。そして、相手チーム側にとっては、ＧＫからのパスを出させない、あるいはそれをカットするための戦術を考えなければならない。その攻防が見ものになるわけだ。
「相手のプレッシャーを受けてＧＫがパスを出せなくなったときにどうすべきか」という議論も生まれるだろう。
パスコースがなければ、相手にカットされるリスクを冒して無理にパスをつけるのではなく、ロングボールを蹴っておくべきなのだろう。しかし、ＧＫを起点に攻撃につなげるためには、あくまでパスにこだわるべきなのかもしれない。
もしも「８秒ルール」が適用されたとしてもＣＫとなるだけだ。そして、現代のサッカーではＣＫからゴールが生まれる確率はそれほど高くない。もっとも、ＣＫからの攻撃がうまいチームが相手なら、ＣＫを与えることは、なんとしても避けるべきだろう。
それなら、ＣＫを与えないために、ＧＫはタッチラインに蹴り出してスローインにすべきなのか？ しかし、対戦相手がＦＣ町田ゼルビアだったら、スローインも与えるべきでないのかもしれない……。
そんな駆け引きも楽しめるだろう。
