■バスケや野球の「観客を退屈させない」工夫
GKがボールを持っている時間を制限するのは、プレーが止まって、時間が浪費されることを防ぐためだ。観客を退屈させないための工夫である。
他のスポーツでも、さまざまな工夫がなされている。
アメリカのメジャーリーグ・ベースボール(MLB)では、2023年から「ピッチクロック」というルールが適用されて話題になった。ピッチャーはボールを受け取ってから、ランナーがいない場合には15秒、ランナーがいる場合には18秒のうちに投球動作に入らないと、ボールが宣告される。
アメリカでは歴史的に4大スポーツ(ベースボール、フットボール、バスケットボール、アイスホッケー)が人気獲得競争を繰り広げているが、ベースボールは時間制ではなく、試合時間が長いためにファン離れが進んでいた。そのため、試合時間短縮を目的として採用されたのがピッチクロック制だった。
ただ、ピッチャーの負担が増えたため、肘の故障を起こすのではないかという批判の声もある。
バスケットボールには、ショットクロック(24秒ルール)がある。
攻撃側がボールを保持してから24秒以内にシュートを撃ってリングに当たらないと、攻撃権は相手チームに移り、シュートがリングに当たって攻撃側がリバウンドを取った場合には14秒以内にシュートしないといけないというルールだ。
リードしているチームがボールを保持して時間稼ぎするのを防ぐためのもので、NBAで「30秒ルール」が適用されたのが1950年代、2001年に「24秒」に改められた。
サッカーと違って、バスケットボールは手でボールを保持できるため、ボールを回してキープに入るとなかなか相手チームが奪い返すこと(ターンオーバー)が難しいために必要になったルールである。









