
Jリーガーが代表メンバーの「E-1選手権」は、日本の優勝で幕を閉じた。そして、その活躍はJリーグへと興味を移行させる。例年以上の大混戦となっているJリーグの「これまで」と「今後」について、ベテランのサッカージャーナリスト、大住良之と後藤健生が激論を交わす!
■見応えがあった「ゴールへの姿勢」
――見応えがあったという川崎フロンターレと鹿島アントラーズの対戦は、どんなところに良さが見えましたか。
後藤「前半から川崎がパスをつないで攻撃していたんだけど、鹿島は持たせていいところで持たせておいて裏を狙う、という非常に戦略的な戦いをしていた。それで満足しているわけじゃないだろうけど、割り切ってそういう戦いをしてきた。そういう打開方法でもいいから何とかしようとしていたんだよ」
大住「相手のやり方を熟知しつつ、鹿島は裏を狙って長いパスを出していた。松村優太の素晴らしい走りから先制点を取ったんだけど、そのあたりはさすがに首位を争うチームだと感じたね」
後藤「鹿島の鬼木達監督は、川崎のことを熟知していますからね。現在率いる長谷部茂利監督よりもよく知っているかも(笑)」
大住「そうかもしれないね。それで苦しくなって、長谷部監督は裏を狙われていたCBの丸山祐市を前半だけで代えちゃったもんね。今季のJリーグ全体には貧攻という印象があって、もっと危機感を持ってほしいと思うんだけど、この川崎と鹿島の試合は、とにかく互いにゴールを目指すという点で見応えがあった」