■5歳の少年にも「不安感」を与えた

 大きな木の下は、落雷時には非常に危険な場所とされている。木は電気を通しにくいため、てっぺんに落雷したものがすぐそばにいる人のほうに流れることが多いのだという。これを「側撃」というらしい。覚えておかなければならないことだ。ホワイトは「側撃」を受け、即死だった。

 左右どちらのウイングもこなしたホワイトは27歳。トッテナムの助監督ハリー・エバンズの娘でもあった妻はまだ22歳で、2人の子どもがいたという。彼の前には、洋々たる未来が待っているはずだった。

 私の友人であり、同じ町内に住む英国人ジャーナリスト、マイケル・プラストウさんに聞いたところ、彼は当時まだ5歳だったが、父親からこの事故の話を聞いた覚えがあるという。その話は、以前聞いたマンチェスター・ユナイテッドの悲劇(1958年、ミュンヘンでの航空機事故)と重なり、5歳の少年に小さくない不安感を与えたという。

(3)へ続く
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