【2025年J2前半戦ベストイレブン】躍進の2位・水戸ホーリーホック、3位・RB大宮アルディージャから複数人選出 右MFは前半戦のアシスト王【GK・DF・MF編】【戸塚啓のJ2のミカタ】の画像
アシストを量産した磐田MFジョルディ・クルークス  撮影/中地拓也
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■7連勝の水戸からビルドアップに長けるGK西川を選出

 J2リーグは6月14、15日開催の第19節で前半戦を終了した。毎シーズン恒例の前半戦ベストイレブンを、試合登録と同じ9人の控えメンバーと監督も含めて選定する。

 選考基準は19試合の総プレータイム1710分の3分の2以上、つまり1140分以上のプレータイムがある選手とした。混戦模様のなかではどのポジションも候補者が多く、プレータイムで一定の線引きをするしかないと判断した。

 システムは4-4-2とした。前半戦首位のジェフユナイテッド千葉、千葉と同勝点で2位の水戸ホーリーホック、同4位のベガルタ仙台、6位のジュビロ磐田が4バックを基本布陣とする一方で、3位のRB大宮アルディージャ、5位の徳島ヴォルティス、7位のサガン鳥栖、8位のV・ファーレン長崎、9位のFC今治、10位の大分トリニータらは3バックを基本布陣としている。どちらのシステムを採用するべきか迷うところだが、4バックでも無理なく選手を当てはめることができた印象だ。

「この選手よりこっちの選手だろう」といった意見はあるだろう。それでも、今回ピックアップした選手が、前半戦を盛り上げたのは間違いない。

 

●GK 西川幸之介(水戸ホーリーホック)1170分出場

 7節からスタメンに定着し、9節から19節までの11戦負けなし、13節からの7連勝(継続中)に貢献。キャッチ率、セーブ率、パンチ率などのゴールを守るデータで高い数字を残しつつ、攻撃にも積極的に関わる。ビルドアップの局面でペナルティエリアから飛び出してプラスワンの存在となり、相手のプレス回避をスムーズにしている。彼のパスがきっかけとなり、決定的なシーンが生まれることも少なくない。

 

●右SB真瀬拓海(ベガルタ仙台)1577分出場

 前半戦19試合のうち17試合でスタメン起用され、リーグ2位タイの6アシストを記録。同サイドのMF郷家友太とのレーンの使い分けが絶妙で、このふたりが構成する右サイドからの崩しはチームの強みとなっている。試合途中からMFで起用されることもあり、チームに戦術的柔軟性をもたらしている。

 

●左SB大森渚生(水戸ホーリーホック)1710分

 左SBでは石尾陸登(仙台)、松原后(磐田)、日高大(千葉)、岡庭愁人(山口)らもチームへの貢献度が高いが、前半戦を2位で折り返した水戸の背番号2を選出。J3降格の栃木SCから加入したこのレフティーは、左足から繰り出すパスとクロスで攻撃でも多大な貢献度を示している。セットプレーのキッカーも担っており、2アシストという数字以上の存在感だ。

 

●CBカブリエウ(RB大宮アルディージャ)1570分出場

 J3から復帰1年目のチームで主将に指名され、3バックの右CBを定位置に出場停止の1試合を除く18試合に出場(そのうち17試合はフル出場)。クロスをヘディングで跳ね返し、シュートは身体を張ってブロック。自陣でのプレーが長くなる時間帯で、圧倒的なまでの存在感を発揮している。攻撃にスイッチを入れる縦パス、球足の長いスルーパスも秀逸。

 

●CB山田奈央(徳島ヴォルティス)1688分出場

 前半戦リーグ最少失点の徳島で、3バック中央を任されて堅守を作り上げた。自身と同じ新加入の山越康平、加入2年目の青木駿人で構成する最終ラインは、セントラルMFとの連携もスムーズで抜群の安定感を誇る。ハイプレスとミドルブロックを使い分けるチームとしての守備が機能しているが、エリアマネジメントに長ける彼の存在も大きい。

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