
今回のtotoはJ1第20節の9試合と、J2第19節の4試合が対象となっている。過去のデータや直近の様子などから、分析を進めてみよう。
■優勝争いにも「大きな影響」
各国代表チームの活動によるJ1の中断期間が終わり、再開初戦でいきなり興味深い対戦が実現する。首位の鹿島アントラーズと、5位のサンフレッチェ広島による上位対決だ。
両チームの間には、8ポイントの差が開いている。だが、広島は消化試合数が鹿島より1つ少ない。広島は昨季J1を2位で終えたチームであり、今回の対決は優勝争いにも大きく影響してきそうだ。
通算では36勝11分26敗と鹿島が勝ち越しているのだが、ミヒャエル・スキッベ監督が広島を率いるようになった2022年以降は、4勝2分1敗と広島が優位に立っている。今年最初の対戦でも、1-0で広島が勝利しているのだ。
その力関係に、新たな影響を及ぼしそうな要素がある。今月に入って行われた戦力補強だ。
浦和レッズのクラブW杯出場に伴い、6月上旬のJリーグでは特別な移籍ウィンドウが開いた。このチャンスを活かそうと両チームとも新戦力を迎えたのだが、その様相は異なるものだった。
鹿島はシントトロイデンから日本代表選出経験もある小川諒也、東京ヴェルディから千田海人と実績ある選手を迎えたが、現時点では少なくともマイナスを埋める補強に映る。5月上旬から離脱している関川郁万、さらに5月末に負傷した安西幸輝のポジションに入る選手たちであるからだ。
一方の広島は、柏レイソルから木下康介を獲得。今シーズンに入ってから選手の移籍や負傷離脱があったものの、緊急補強という印象は薄い。
鹿島の補強はDFであり、早期にフィットすることは簡単ではないだろう。サイドバックの濃野公人が戻ってきそうなのは好材料だが、今季リーグ戦全試合に先発してきた安西が抜ける穴は小さくない。
広島が獲得した木下は、長身ストライカー。高さという一目瞭然の武器は周囲の選手としても活かしやすいはず。また、木下が今シーズン柏で挙げた3得点がすべて交代出場から決めたものというのも、シーズン途中の加入ながら、活躍の期待させる材料だ。
鹿島の鬼木達監督も、広島相手の連敗を脱しようと知恵を絞るはず。だが、現在の状況は広島の勝利を予感させる。