
サッカー日本女子代表がブラジル女子代表と対戦し、2連敗を喫した。日本と時差のあるアウェイでの連戦という厳しい条件だったことを差し引いても、連敗という事実は揺るがない。そこから何が見えたのか。サッカージャーナリスト後藤健生が、なでしこジャパンの「現在地」、そして、今後の「光明」を探る!
■見事なカウンターで「日本先制」⁉
日本女子代表(なでしこジャパン)はブラジル代表との親善試合を2連敗で終えた。
とくに、5月30日(日本時間31日)に行われた初戦は、内容としても結果(1対3)としても「完敗」だった。
この試合、キックオフ直後から攻守ともにアグレッシブなブラジルに押し込まれ、トップのジオとドゥジーニャのパワーとスピードを前に何度も突破を許してしまう。また、せっかくボールを奪い返しても、ブラジルが高い位置からマンツーマン気味に仕掛けてくる守備に阻まれて、前線までボールを運ぶことも難しくなってしまった。
もっとも、日本にチャンスがなかったわけではない。
11分に、DFの南萌華からのボールを受けた藤野あおばがロングボールを前線に送り込むと、このところ進境著しく、この日もトップで体を張ったり、中盤に下りてパス回しをサポートしていた田中美南がうまくコントロール。飛び出してきたGKをかわしてブラジル・ゴールに流し込んだ。
「見事なカウンターで日本が先制」と思われたのだが、ここでVARが介入。直前のプレーでブラジルのルアニーが倒れた場面で、南の足がかかっていたとして、田中のゴールは取り消され、ブラジルにPKが与えられた。