■首位・千葉がペースダウンで混戦に

 開始10分の3ゴールをそのまま守り切った水戸は、長崎を退けて5連勝とした。2000年、17年に続いて3度目で、クラブ最多記録に並ぶものだ。

 リーグ全体に触れれば、首位を快走してきたジェフユナイテッド千葉がスローダウンしている。4月29日の12節以降は1勝4分2敗で、直近3試合は勝利がない。2位のRB大宮アルディージャとの勝点差は「3」だ。ちなみに、勝点34のRB大宮は、天皇杯の関係で消化試合数がひとつ少ない。

 3位のベガルタ仙台は勝点「33」、4位の水戸と5位の徳島ヴォルティスは「32」である。さらに6位のジュビロ磐田、7位のサガン鳥栖が「29」、8位の長崎が「27」である。水戸も消化試合数がひとつ少ない。

 シーズン折り返しを前にして、J1自動昇格圏の2位以内も、プレーオフ出場の6位以内も、先が読めない展開となっている。

 順位表のボトムハーフへ目を移すと、北海道コンサドーレ札幌が6勝3分9敗の勝点21で12位、モンテディオ山形が4勝5分9敗の勝点17で15位だ。どちらもJ1昇格候補にあげられていただけに、苦しいシーズン前半戦となっている。

 順位をあげていくには連勝が必要だが、札幌も山形も2連勝が一度あるだけだ。山形は直近3連敗となっている。6月15日開催の次節は、仙台との「みちのくダービー」だ。ホームで戦うこの試合は、浮上のきっかけをつかむためにも決して落とせないものとなる。2週間のインターバルで、どこまでチームを立て直せるか。

 札幌はJ1の名古屋グランパスから、CB宮大樹を獲得した。昨シーズンまでJ1のアビスパ福岡で実績を積んできた29歳である。

 今シーズンはFIFAクラブワールドカップ開催に伴う「特別登録期間」が設けられており、6月1日から10日に新戦力の獲得が可能となる。7月上旬の第2登録期間を待たずに、札幌のように補強へ動くチームが出てくるかもしれない。

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