■京都は奥川雅也が決め手に

 3位の京都サンガは序盤戦における台風の目とも言える存在だ。17試合で24得点、21失点という数字通り、ハイスコアになる傾向もあるが、第15節のFC町田ゼルビア戦での逆転勝利に見られるように、終盤の競り合いに強さを発揮している。ここまで8得点のラファエル・エリアスが絶対的なエースだが、2得点4アシストのFW原大智を明確なターゲットマンとした攻撃は、エリアスを欠いたアウェーで2−1の勝利を飾った町田戦でも発揮された。
 鹿島、柏と共通するのは曺貴裁の選手交代がうまく行っており、後半の勝負強さにもつながっていること。パワフルさだけでなく、欧州帰りの奥川雅也のようなテクニカルなタレントの存在も決め手としては大きい。
 京都の生命線となるのは攻守のハードワークとセカンドボールの奪取力だが、だんだん暑くなってくると、京都が実現している高いプレー強度を90分維持するのは簡単ではない。序盤戦は4ー3ー3をベースに戦ってきたが、ここに来て3バックをオプションとして使っており、状況や時間帯に応じたゲームコントロールも鍵になってきそうだ。
(取材・文/河治良幸)
【後編へつづく】

(2)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3