■勝敗を分けた「アクシデント」

 そして、川崎が1点リードしたまま迎えた前半のアディショナルタイムに、鹿島に同点ゴールが生まれた。右から左サイドバックの安西幸輝にサイドチェンジのパスが渡り、安西がそこから右サイドに深いパスを送る。そこに飛びこんできた鈴木が折り返したところに舩橋佑が合わせた。

 安西からのボールに川崎のGK山口が反応したものの、鈴木の折り返しを防げなかった。鹿島が大きなサイドチェンジを繰り返すことによって山口の判断ミスを誘った形だった。

 こうして、ゲームは1対1のまま後半に入ったが、その後はどちらも完全にゲームを支配することができないまま、時計の針が進んでいった。

 後半も立ち上がりは川崎がやや優勢で、51分には左から佐々木旭がドリブルで持ち込んでそのままシュートを撃ち、53分には右サイドに出たエリソンからのクロスに再び佐々木が合わせたが決められない。

 61分、鹿島のレオ・セアラが痙攣を起こしてピッチに座り込んでしまい、鹿島は急遽、田川亨介と交代を余儀なくされる(交代は62分)。だが、田川は交代からわずか3分で、その持ち味であるスピードを生かして決勝ゴールを決めることになる。

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