■選手が快適だったチャーター便

 そんなこんなで迎えた出発当日。緊張のサウジアラビアへのフライトでしたが、実際には“快適な空の旅”でした! ここまでJリーグの中で一番忙しい日程を闘っていた川崎フロンターレと横浜F・マリノスの選手たちも、ジェッダの空港に降り立った時は、「よく寝た~」という表情のリラックスした様子。後日、選手たちにチャーター便での移動はどうだったかを聞いてみると、脇坂泰斗選手が「寝てたら着きました」と話せば、佐々木旭選手は「体感としては国内を飛んでいるくらいの感覚で快適でした」とのこと。そして、野田裕人選手は「ほぼ、初飛行機、しかも長時間乗るのは緊張したけど、全然大丈夫でした!」との答えで、多忙だった選手たちもリラックスできたのだなと一安心しました。
 現地空港では、サウジアラビアの観光協会やサッカー関係者の皆さんによる音楽とダンスで熱烈な歓迎がありました。その中で、中山和也通訳と山田新選手が一緒になって踊っている姿も見られ、飛行機内でゆっくり休めたようで元気で良かったなぁ、と安心しました。
 また、空港に降り立った長谷部茂利監督も、報道陣から“写真を撮らせてほしい”とお願いされると、最初は「髪型が……」と仰っていましたが、チャーター機の前でしっかりガッツポーズを決めてくださいました! 関係者から聞いた話ですが、機内での長谷部監督は、エコノミークラスに座り、ほぼずっとサッカーを見ていらっしゃったようです。
 現地に降り立って驚いた光景の一つに、空港での荷物積み込みの場面がありました。選手スタッフ一人一人の預け入れ荷物に加え、お米をはじめとした現地で調達できない食材の数々、ボール、三角ポール、バー、トレーニング用品などもすべて持ち込みなのです。その数197個だったというのはサポーター皆さんもご存じかと思いますが、そのすべてのナンバーを確認しながら、コーチ、スタッフの皆さんでトラック2台、バス1台に積み込む作業が。朝の4時過ぎに到着した飛行機でしたが、荷物の積み込みが終わったのは太陽が完全に昇りきった時間になっていました。海外遠征にはこういった、スタッフ皆さんの労力と時間が必要なことが分かりました。

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