■チャンスをつかんだ選手が勝利につながるプレーを
1対0とした仙台だが、31分に同点に持ち込まれる。
山口は4節から11節まで8戦連続で勝利から遠ざかっていたが、前節のジュビロ磐田戦で1対0の白星をつかんだ。相手が失速しているとはいえ、J1昇格候補をホームで破ったのである。低迷から抜け出すきっかけとしては十分で、この日も31分に同点としたのだった。
ここで仙台が突き放す。再びセットプレーから得点を奪う。
39分、オナイウが右サイドからロングスローを入れると、ニアサイドでCB菅田真啓が競り勝って後方へ流す。マッチアップする選手の背中を取ったMF郷家友太がフリーとなり、ヘディングでしっかりとネットを揺らしたのだった。
ロングスローを供給したオナイウは、8節からスタメン出場が増えている。左MF相良竜之介の負傷離脱で出場機会をつかみ、シーズン初先発の8節に決勝ゴールとなるドリブルシュートを決めた。11節の愛媛FC戦では1点を追いかける展開で途中出場し、左サイドを突破してFW梅木翼のアディショナル同点弾をアシストしている。翌12節はスタメンに復帰し、自陣からドリブルで持ち運んでGKの頭上を破った。この先制弾が、2対1の勝利につながった。
仙台の攻撃陣では相良に加えてFWエロンが、8節からメンバー外となっている。そのなかで、オナイウが結果を残した。昨夏の加入からリーグ戦で得点のなかった梅木も、前述の愛媛戦で仙台での自身初得点を記録した。新加入のFW宮崎鴻も、ここまで3ゴールをあげている。
チーム全体を底上げしながら勝点をつかむ。まだシーズンの3分の1を終えた段階だが、仙台はJ1昇格への必要条件を満たしつつある。