【2025年J2「第13節」ベガルタ仙台VSレノファ山口FC「徹底分析」】仙台、“開幕時サブ選手”が躍動 J1昇格要素を満たす総合力【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
2位に浮上した好調・仙台を率いている森山佳郎監督  写真/中地拓也

■仙台はじわじわと順位を上げて

【J2リーグ第13節 5月3日 13時03分キックオフ 仙台 3ー1 山口 キューアンドエースタジアムみやぎ】

 成長の歩幅を、拡げている。

 J2リーグ第13節が5月3日に一斉開催され、前節まで3位のベガルタ仙台は同19位のレノファ山口FCをホームに迎えた。

 森山佳郎監督が就任2年目を迎えた仙台は、7節のカターレ富山戦から6試合負けなしと勝点を積み上げている。その間は4勝2分で、じわじわと順位を上げてきた。

 ここからJ1昇格をより現実的としていくには、昨年から構築してきた守備力をさらにソリッドにしながら、攻撃力を高めていくことがテーマとなる。昨シーズンは引分けが「10」あり、それが最終的に2位以内を、あるいはプレーオフをホームで戦える権利をつかみ損ねる一因となった。

 ここまで12試合で、複数得点は4試合だ。ウノゼロで勝ち切れるのはチームの強みだが、2点、3点と取ることで勝利数を増やすことができる。

 仙台はここまで、セットプレーからの得点がわずかに「1」となっている。DF真瀬拓海、DF石尾陸登、MFオナイウ情滋らロングスローの担い手を揃え、CKやFKではMF武田英寿が左足から高精度のクロスを供給する。セットプレーから得点機は作っているものの、ゴールは6節のジュビロ磐田戦で記録した1点だけなのだ。

 この日の山口戦では、そのセットプレーから先制点をあげた。20分、武田英寿の右CKから、CB井上詩音がヘディングシュートを決めた。ストーンの背後へボールを落とした武田のキック精度と、ゾーンディフェンスのすき間で高さを発揮した井上の動きが、見事にリンクしたのだった。

  1. 1
  2. 2
  3. 3