強行日程の3連戦で「スタメン固定」した理由、スコルジャ監督が狙う「2023年の再現」、課題は「交代カード」【3連勝で4位浮上!浦和レッズ「V字回復」ウラ事情と「新たな課題」】(3)の画像
今後を見据え、リスクを冒して3連勝へと導いたマチェイ・スコルジャ監督。今後の采配から目が離せない。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 例年以上の大混戦となっている今季のJリーグ。その中にあって注目されているのが、3連勝を飾って4位に浮上した浦和レッズだ。なぜV字回復できたのか? 名門の「知られざる」復活劇のウラ事情と、「残された」最後の課題を、サッカージャーナリストの後藤健生があぶり出す!

■起用し続けた「同じ11人」

 さて、町田戦で成功した、松尾佑介をトップに据えた新布陣が成功すると、マチェイ・スコルジャ監督はその後の京都サンガF.C.戦でも横浜F・マリノス戦でも、同じ11人を先発で起用し続けた。

 FC町田ゼルビア戦から京都戦が中2日、京都戦から横浜FM戦までが中3日という強行日程であるにもかかわらずである。

 その点は、スコルジャ監督自身も考えていたようで、横浜FM戦後の記者会見では自ら「スタメンを変えないというリスクを取った」と説明。次はローテーションするつもりだと語っている。

「スタメンを変えない」という判断をした理由は、成功した形を大事にして、より熟成させるためだったのだろう。6月にクラブ・ワールドカップに出場する浦和にとって、それまでにチームとしての形をある程度、完成させなければならないのだ。

 2023年にスコルジャ監督が初めて浦和にやって来たときも、アル・ヒラルとのAFCチャンピオンズリーグ決勝が控えていたので、スコルジャ監督はチーム作りを急ぎ、守備を固めてカウンターを狙うという形で劣勢と見られていた決勝でアル・ヒラルに勝利して見せた。

 今回も、その再現を狙っているのだろう。しかも、シーズン開幕直後は不調が続いていたので、6月を目指してチーム作りを急がなければならない。そのために、無理をしてメンバーを固定して3試合を戦ったのだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3