■大きな武器になった「セットプレー」

 そして、圧巻のキック・テクニックを見せるのが、柏レイソルから移籍してきたマテウス・サヴィオだ。

 開幕当初は周囲とのコンビネーションが合わず、チーム内で浮いているような時期もあったが、今ではさまざまなポジションに現われて、攻撃のタクトを振るっている。

 マテウス・サヴィオといえば、セットプレーも大きな武器になっている。

 3連勝の間、浦和は7ゴールを決めたが、3ゴールがCK、1ゴールがFKからの得点だった。

 町田戦の先制ゴールは、右CKを松尾が蹴ってマテウス・サヴィオにつなぎ、マテウス・サヴィオの低いクロスにマリウス・ホイブラーテンが合わせて、アウトサイドで巧みなシュートを決めたもの。

 京都戦での先制ゴールはマテウス・サヴィオの右CKに松尾が合わせたもの(前述)。そして、横浜FM戦のダメ押し点は、原口が蹴った左CKからの跳ね返りを拾い、原口が上げたクロスにダニーロ・ボザが合わせたものだ。

 こうした、得点につながったプレー以外にも、3連勝中の浦和はセットプレーからかなりの高確率でチャンスを生み出し続けていた。

 マテウス・サヴィオという正確なキックを持つ選手が存在するので、これからもセットプレーは浦和にとっての大きな武器となっていくことだろう。

 こうして、攻撃のバリエーションを増やした浦和。守備面では、ダニーロ・ボザが完全にチームに溶け込んだことで、ホイブラーテンとのセンターバック・コンビの強さが大きな武器になっている。右サイドバックで起用されている石原も成長しており、また、最近は長沼洋一が左サイドバックで使われているが、本職のSBの荻原拓也もおり、ポジション争いにも注目したい。

(3)へ続く
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