■攻撃の「貧弱さ」か、それとも…

 サッカーは攻撃力と守備力のせめぎ合いだ。どんなチームでも、相手からしゅ奪おう奪おうと努力するが、同時に、相手には得点させないよう努力もする。得点はその均衡がほんの少し乱れるところに生まれる。今季のJリーグの得点の少なさ(=シュートの少なさ)は、攻撃の貧弱さによるものだろうか、それとも守備力が高められていることによるものなのか―。

 勝点を得るには、守備力は欠くことのできない要素だ。もし多くのチームが「取ることよりも取られないこと」に力を注いでいるのなら、それは「右傾化(保守化)」を意味している。守備的なリーグは魅力を失い、ファンは離れていく。両チーム合わせてシュートが10本にも満たない試合(今季、まさにそういうゲームがあった)、ファンが息をのむようなシーンがほとんどない試合、GKのセーブがなかった試合など、誰が喜んで見に行くだろうか。

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