
4月16日時点で下位グループに位置するビッグクラブを見ていくと、やはり最も気がかりなのは名古屋グランパスではないか。
今季の彼らは非常に前評判が高かったが、開幕6戦未勝利というまさかのスタートを強いられた。3月29日の横浜FC戦でようやくリーグ初勝利を飾り、続く横浜F・マリノス戦でも連勝したが、その後の湘南ベルマーレ、ガンバ大阪戦で連敗。10試合を終えても最下位から抜け出せずに苦しんでいる。
こうした中、16日には前年王者としてYBCルヴァンカップ2回戦・カターレ富山戦に挑んだが、120分戦っても決着がつかず、PK戦までもつれた挙句、苦杯を喫するという最悪の結末を突きつけられたのだ。
この試合の先発は椎橋慧也、森島司、浅野雄也、徳元悠平らJ1で実績のある面々がズラリと並んだ。もちろんピサノアレックス幸冬堀尾や森壮一朗といった若手も出場していたが、戦力的にはかなり充実していた。それでも今季J3から上がってきたばかりの相手に勝てないのだから、クラブとしても失望感が大きかったはずだ。
このままだと、長谷川健太監督の去就問題がヒートアップすることは避けられない。ここから大型連休の連戦で、大鉈を振るうのは難しいタイミングでもあるが、ここからの対戦カードは広島、鹿島、柏レイソル、清水エスパルス、ファジアーノ岡山と上位グループにいる相手ばかり。そこで足踏み状態が続くようだと、本当にJ2降格の恐れが現実味を帯びてくる。そうなる前にクラブはどんなアクションを起こすのか。現体制を維持するにしても、何らかの策は講じなければならない。その動向を冷静に見守るしかない。