■ゴールが遠い神戸は「2枚看板」交代
工夫を見せることができずに時間を消化していってしまった神戸は、後半、同じことの繰り返しになってしまっているチームを好転させるべく、宮代大聖が隙間に顔を出して奮闘。だが、新潟の守備陣を打ち破るには至らなかった。
それまでよりもエリア内に人数をかけ、酒井高徳と広瀬陸斗の両サイドバックが時間をかけずにクロスを入れても、ジェイソン・ゲリアを中心に、新潟のDF陣が地道に跳ね返し続けた。
ゴールが遠い神戸は、60分に武藤嘉紀を、76分には大迫勇也を交代させることを決断。しかし、投入されたエリキや佐々木大樹がゴールに近づく場面はあったものの、チームとして新潟の守備を打ち破ることはできず、無得点のまま終盤を迎えた。
終盤の猛攻では、セットプレーで攻撃に加わるマテウス・トゥーレルの怖さがあったものの、新潟はGKの藤田和輝が安定したプレーを続け、神戸を自陣へ押し戻すためのキックの判断でも集中を保ち、完封に成功。ようやく手にした初勝利の喜びを、サポーターと共有した。
長い苦しみが続いたが、自分たちの戦い方を貫き、王者を倒してみせた。順位は20位のままだが、この結果がチームにもたらす効果は計り知れない。樹森大介監督は安堵しつつも「まだまだ申し訳ない」とサポーターへの思いをコメントした。
アルビレックス新潟は、どんなときも変わらぬ大声援を送ってくれるサポーターとともに、上を目指して戦い続けることだろう。
■試合結果
ヴィッセル神戸 0-1 アルビレックス新潟
■得点
12分 長谷川元希(新潟)