■福田と鈴木章斗の2トップが放つ異彩
もう1つの湘南も非常にいい仕上がりを見せている。15日の開幕でタレント軍団・鹿島アントラーズを走力と強度、推進力で見事に凌駕し、売出中のスピードスター・福田翔生の一撃で勝ち切った。その勢いに乗り、22日のセレッソ大阪戦では今季からエースナンバー10を背負うキャプテン・鈴木章斗が2ゴールをゲット。リスタートから進藤亮輔に一発を食らったものの、しぶとく勝ち切る形となっている。
今季の湘南は福田と鈴木章斗の2トップが異彩を放っている。福田の速さとスペースに入り込む動きは驚異的だし、鈴木章斗の決定力の高さも磨きがかかっている。それを山口監督のチルドレンである小野瀬康介、奥野耕平らが確実にサポートし、新加入の藤井智也もいい味を出している。山口体制を継続していることで、選手たちがオートマティックに連動して動けるというのも大きな利点。彼らがこの段階で上位に来ているのは、決してサプライズではないだろう。
もちろんまだ2戦が終わっただけで、ここからどうなるか分からないが、昨季開幕から一気に飛ばしで最後まで優勝争いを演じた町田ゼルビアのような例もある。伏兵と見られる清水と湘南のここからの戦いが気になるところだ。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)