■次戦は監督・選手ともに元浦和が多い天王山
さしあたって見据えるべきは、3月2日のホーム初戦・柏レイソル戦だ。ご存じの通り、敵将のリカルド・ロドリゲス監督は浦和の元指揮官。小泉佳穂、犬飼智也、木下康裕のように浦和でプレーしていた選手も多いという因縁があるのだ。しかも、柏も湘南と同じ3バックをベースにしている。もちろん柏は湘南のようにリアクション主体のサッカースタイルではないし、ボール保持を目指してくるだろうが、彼らに回されてしまったら、またも苦戦を強いられることになりかねない。
湘南戦の前半にプレスの強度や寄せが足りなかったという現実を踏まえ、次はスタートから一気にギアを上げていくしかない。中3日の連戦で、チアゴ・サンタナやマリウス・ホイブラーテンのような30代プレーヤーも多い分、フィジカル的には厳しいだろうが、序盤戦の天王山で勝ち点3を取れなかったら、彼らはトンネルに迷い込んでしまわないとも限らない。そのシナリオだけは回避する必要があるのだ。
「キャンプでは手ごたえもありましたし、チームとしてやれていたんですけど、キャンプはキャンプ。やっぱり本番での結果が全て。そこを重く受け止めて、本当に切り替えてやるしかない」と金子も言葉を絞り出していたが、キャンプで前評判がよかったチームほど苦戦しているという現実もある。浦和も1回、立ち返るべきところに立ち返り、攻守両面で意思統一を図っていくことが肝要だ。
次戦は今季の成否を大きく左右することになる大一番。そこでガラリと大きく変化した浦和の爆発を期待したいものである。
(取材・文/元川悦子)