国内7冠の名将・鬼木達監督率いる新体制で常勝軍団復活を目指している鹿島アントラーズ。1月25日に12日間の宮崎キャンプを打ち上げたが、ロアッソ熊本戦、ツエーゲン金沢戦に続く最後のテストマッチだったファジアーノ岡山戦(45×3本)は3-4の敗戦と、悔しい結果に終わった。
1本目は柴崎岳、鈴木優磨、レオ・セアラといった主力級が揃って先発。新指揮官が求める丁寧なビルドアップとタテパスの意識を強く押し出そうとしたところ、相手のハイプレスにハマり、いきなり失点。さらにGKのミスも重なって、最初の45分間だけで0-3というショッキングな展開に陥ったという。
2本目も1点を先に奪われ、一時は0-4と差が広がったというから選手たちも慌てたはずだ。ここから巻き返して知念や徳田誉らがゴールを重ねたが、今季J1初参戦の岡山に厳しい戦いを強いられたのは確か。その事実をまずはしっかりと受け止めなければならないだろう。
筆者も宮崎での鹿島の練習・試合を何回か見たが、鬼木監督の求めるサッカーを体現しようと選手たちが必死になるあまり、視野が狭くなったり、プレー速度が遅くなったり、オートマティズムが失われたりする傾向が見て取れた。
21日の金沢戦を試合を見ていた関係者も「『つなごう、つなごう』としすぎて、動きが止まったり、相手に詰められたりするから、前線にボールが入らない。鬼木さんがやりたいことを形にするには、まだだいぶかかりそう」と指摘していた。