■期待しがちな「華麗な攻撃サッカー」

 今季の鹿島は昨季21ゴールのレオ・セアラが加入し、7ゴールの荒木遼太郎がレンタルバック。多彩なタレントを擁する分、どうしても「華麗な攻撃サッカー」を期待されがちだ。しかしながら、彼らは伝統的に1-0でしぶとく勝ち切ることを得意としてきたチーム。
 昨年10~12月の中後雅喜監督(現コーチ)・羽田憲司コーチ(現U-20日本代表コーチ)体制時も原点に立ち返ったことで6試合無敗で乗り切ることができた。10月時点では点を取る形が思うように作れなかったが、徐々に師岡柊生らが躍動。最終的にはいい感触も得られた。その経験値を完全にリセットすることなく、新体制で生かすことが勝利への近道になるだろう。
 鬼木監督もここからは多少、長いボールを使いながら攻める形を取り入れるかもしれないし、守備も少し低い位置でブロックを作る時間帯も作るのではないか。メリハリをつけながら、より現実的な戦い方を構築できれば、鹿島は悪くないスタートを切れるのではないか。
 まずは2月1日の水戸戦でどのような修正が図られるのか。それをしっかりとチェックしたいものである。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
  1. 1
  2. 2
  3. 3