■すでに数年前に廃止されていた「規定」

 間もなく開幕する2025年のJリーグ……。

 昨シーズン、最終節まで激しいデッドヒートを繰り広げたヴィッセル神戸サンフレッチェ広島はチームの完成度が高く、今シーズンも「2強体制」であることは間違いないが、そこに昨季、素晴らしいフィニッシュをしたガンバ大阪、J1で4度の優勝経験を持つ鬼木達を監督に迎えた鹿島アントラーズ、昨年、旋風と“論争”を巻き起こしたFC町田ゼルビアがどこまで肉薄できるか。あるいは、新監督を迎えたかつての王者、川崎フロンターレ横浜F・マリノスの復活はなるか……。

 そんな順位争いをはじめ、さまざまな話題があるが、長い目で見ると、レッドブル・グループの傘下に入ったRB大宮アルディージャの動向こそが最大の注目ポイントなのかもしれない。

 大宮の前身は1969年に創設された電電関東サッカー部。電電公社民営化後は「NTT関東」となり、1999年のJリーグ入り後も同グループが出資するNTTスポーツコミュニティ株式会社が運営に当たっていたが、昨年8月に同社が全株式をオーストリアに本社を置くレッドブルGmbHに譲渡したのだ(「GmbH」はドイツ語で「株式会社」)。

 Jリーグでは、従来は外資によるクラブの保有を禁止していた。外国資本によって経営を左右されるのを嫌った規定だったが、この規定は数年前にすでに廃止されていた。

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