2024年のJ1リーグが終わった。最終節までサンフレッチェ広島と争った末、ヴィッセル神戸が連覇を果たした。来シーズン、この「2強」に対抗できるチームは、どこなのか。サッカージャーナリスト後藤健生は、最終節での戦いから、あるチームに可能性を見出している。
■リーグで「2番目に少ない」失点数と…
J1リーグの38試合を通じてガンバ大阪の失点は35。堅守で躍進したFC町田ゼルビアの34に次いでリーグで2番目に少ない失点数だった。ちなみに、優勝したヴィッセル神戸の失点は36。3チームとも1試合平均失点数は「1」を下回った。
ただ、G大阪は得点は49で得失点差は+14にとどまった。
G大阪の得点数は20チーム中10位タイの49。これは最終順位が13位の浦和レッズと同じで、同15位に終わった湘南ベルマーレの得点数(53)をも下回る数字だった。
攻撃力不足は明らかであり、そして同時に宇佐美貴史への依存度が高すぎた。
完全復活を遂げた32歳の宇佐美は、得点ランキング8位タイの12ゴールを決めたから、G大阪の全得点のほぼ4分の1を宇佐美が決めているということになる。
宇佐美はキャプテンとしてチームを統率するとともに、自ら攻撃の形を作って、そして自らフィニッシュを狙うという八面六臂の大活躍を見せた。
だが、宇佐美は天皇杯全日本選手権決勝を2日後に控えた11月21日のトレーニングで肉離れを起こし、以後の試合を欠場することになってしまった。
攻撃面では全面的に宇佐美に頼り切っていたG大阪には大きな痛手となり、天皇杯決勝では、そのマイナスは明らかだった。