■「得点力不足」という言葉が死語に
今年9月から行われた「アジア最終予選」の6試合で、日本は22ゴールを奪い、失点はわずか2。「得点力不足」という言葉が「死語」になってしまうほどの快調な攻撃を見せた。しかし、「勝点16」を得た最大の理由は「守備」にあったと、私は考えている。
何よりも、ボールを失った瞬間の切り替えの早さがライバルたちを圧倒していた。これこそ現代サッカーの最も重要なベースのひとつなのだが、日本代表の切り替えの早さは間違いなくワールドカックラスに達している。その切り替えの早さと前線からの追いかけを受けて、遠藤航と守田英正の両ボランチが巧妙なポジショニングで中盤にネットを張った。
そしてディフェンスラインでは、谷口彰悟の堅実無比なプレーを中心に、板倉滉と町田浩樹が高さと強さで相手のロングボールをはね返した。両サイドの「ウイングバック」としてプレーした堂安律、三笘薫、伊東純也、前田大然、中村敬斗らは、攻撃から守備に切り替わるときにいち早く動いて守備の第一歩をつくるとともに、手を抜くことなく下がってDFラインを助けた。