■「W杯でも優勝候補」のU-23代表と
2日目の7月21日は日曜日であり、優勝候補筆頭のブラジルの登場でオレンジボウルは沸いた。
試合は16時キックオフで女子のスウェーデン×中国が行われ、それに引き続いて男子D組の日本×ブラジルというスケジュールだった。女子サッカーはこの大会で初めてオリンピック種目となり、日本を含む8チームが出場していた。この試合は2-0で中国が勝った。
さて、ブラジルである。2年前にアメリカを舞台に行われたワールドカップで4回目の優勝を飾った後、才能あふれる新世代の登場でブラジル代表はさらにパワーアップしたように見えた。1995年にイングランドで開催された国際大会を圧倒的な力で制覇したブラジルは、1996年も世界で最も注目されたチームだったが、このオリンピックに参加するブラジルU-23代表は、そのブラジル代表に勝るとも劣らないと見られていた。
名将マリオ・ザガロが代表監督とU-23代表監督を兼任し、GKジダ、DFゼマリア、ロベルト・カルロス、FWロナウドなどすでにブラジル代表で中心的存在になっている選手たちに、「オーバーエイジ」として屈強のDFアウダイル、名プレーメーカーのMFリバウド、そして点取り屋であり、1994年ワールドカップ優勝メンバーのFWベベットを加えていた。
「このチームなら、ワールドカップでも優勝候補」とまで呼ばれることが大げさでないのは、1週間前にニューヨーク(ニュージャージー州のジャイアンツスタジアム)に7万8416人の大観衆を集めて「FIFAオールスター(世界選抜)」との試合で相手を圧倒し、2-1で勝ったことで十二分に証明されていた。