小川航基の2ゴールなどで、中国に3−1と勝利した”森保ジャパン”にとって、ここからの進化を期待させるシーンが、後半アディショナルタイム4分にあった。
右サイドで橋岡大樹がボールを持ち、3バック中央の板倉滉に斜めのボールを通す。それを板倉は1タッチで縦に入れて、ボランチの遠藤航、田中碧とつながる間に、中国のディフェンスがボールに引き付けられることで生じた中央右のスペースで、シャドーの鎌田大地がボールを呼び込む。
田中がタイミングよく鎌田に縦パスを入れると、鎌田は正確なファーストタッチで前を向き、背後を狙う動きを見せた古橋に右足でスルーパスを通した。そこから古橋はボックス内の狭いところでシュートに行こうとするが、オフサイドの旗が上がった。本当に一瞬の差で4点目のゴールにならなかったが、これまでの”森保ジャパン”にはあまり見られなかった形から生まれたチャンスであり、古橋のストライカーとしての性能が存分に見られたシーンだ。
鎌田や久保建英が良い形でボールを持ったら、とにかくディフェンスの背後に動き出して、スルーパスを引き出すことを意識しているという古橋。このシーンも絶好の形で鎌田からのパスを受けた以上、結果はオフサイドの判定でも、ここはシュートを打ち切って終わるべきだったという反省があるようだが、A代表で古橋が出場してきた22試合の中で、もっとも特長が生かされたゲームの1つであることは間違いないだろう。